子供の歯の矯正はいつから(何歳から)?費用は?

出っ歯や受け口…気になる子どもの歯並び・噛み合わせ

歯並びの乱れには、出っ歯や受け口だけでなく、さまざまなタイプが存在します。一見して問題ないようでも、実は噛み合わせに問題があった(開咬など)というケースもあります。
少しでも気になる・ご不安があるときには、お早目に当院にご相談ください。

矯正歯科治療が必要な子どもの歯並び・噛み合わせ

受け口(反対咬合)

受け口(反対咬合)

下の前歯が、上の前歯よりも前方にある状態にあり、噛み合わせが上下逆になっている状態です。

開咬(かいこう)

開咬(かいこう)

奥歯を自然に噛んだとき、前歯の上下のあいだに、垂直方向の隙間がある状態です。

出っ歯(上顎前突、口コボ)

出っ歯(上顎前突、口コボ)

上の前歯が、下の前歯より大きく前方にある状態です。口元が膨らむ「口ゴボ」の原因になることもあります。

ガチャ歯(叢生、乱ぐい歯)

ガチャ歯(叢生、乱ぐい歯)

歯列の一部が飛び出したり、歯が前後に重なるなどして、ガタガタしている状態です。

子どもの歯の矯正はいつから始める?

小児歯科お子様の矯正治療には、混合歯列期に行うⅠ期治療と、永久歯が生え揃ってから行うⅡ期治療があります。
それぞれ、使用する装置や目的が異なります。

Ⅰ期治療

5~11歳くらいの混合歯列期に行う小児矯正です。
この時期は、乳歯から永久歯への生え変わりの時期であると同時に、顎の成長が著しい時期でもあります。この、顎の成長する力を利用し、床矯正装置などにより、顎や歯列を拡大します。
これから生えてくる永久歯がきれいに並ぶことができるよう、土台となるスペースを確保しておくことを大きな目的としています。
Ⅰ期治療を受けておくことで、Ⅱ期治療、また将来的な成人矯正が不要になる可能性が高くなります。

Ⅱ期治療

おおよそ12歳以降の、永久歯列期に行う小児矯正です。
ブラケットとワイヤーを使うなどして、歯を適切な位置へと直接的に動かしていきます。理想的な歯並び、噛み合わせを整えることを目的とした本格的な治療です。
Ⅰ期治療を受けておくことで、もしⅡ期治療が必要になったときも、歯の移動距離が少なくて済んだり、治療期間が短くなったりといったことが期待できます。

小児矯正は何歳まで行う?矯正歯科治療にかかる期間

成人矯正の場合、個人差はありますが治療期間は1~3年ほどです。そして、顎の骨が健康であれば、基本的に何歳になってからでも受けられます。
では小児矯正を行う時期、その治療期間はどれくらいになるのでしょうか。

Ⅰ期治療はおよそ11歳まで(1~3年)

Ⅰ期治療では、混合歯列期である5~11歳くらいまでのあいだに、1~3年をかけた治療を行います。

Ⅱ期治療はおよそ17歳まで(1~2年)

Ⅱ期治療では、永久歯が生え揃う12歳くらいから、17歳くらいまでのあいだに、1~2年をかけた治療行います。

反対咬合(受け口)は顎が成長してからⅡ期治療へ

反対咬合は、下顎の成長の具合によって、Ⅰ期治療だけまたはⅡ期治療だけでは改善が難しいケースが多くなります。他の歯並びのタイプと比べると、下顎の成長をより長期的に観察・コントロールすることが求められます。
そのため、Ⅰ期治療を12~15歳くらいまで延長し、顎の成長の見通しができてから、Ⅱ期治療へと移行することがあります。

子どもは矯正をしなくてもいい?早期に治療を始めるメリット・デメリット

小児矯正には、さまざまなメリットがあります。お子様が小児矯正を受けるためには、保護者様のご協力が不可欠です。
メリット、またデメリットを正しく理解し、最良の選択をしていただければと思います。

メリット

永久歯を抜かずに矯正できる

顎が成長の途中にあるお子様の場合、まだこれからスペースを作り出すことができます。そのため、抜歯をせずに治療を終えられる可能性が高くなります。
また小児矯正を受けておくことで、将来的な成人矯正の際にも、抜歯が不要になることが多くなります。

虫歯や歯周病を防げる

歯並びが乱れていると、汚れが溜まりやすく、かつ磨きづらいため、どうしても口内の細菌の量が多くなってしまいます。
きれいな歯並びは、虫歯、歯周病の予防という意味でも重要です。

見た目のコンプレックスが解消する

お子様は成長するに従い、自然に自分の見た目を気にするようになります。
そのときに、歯並びの乱れがコンプレックスになり、さらにそのことで自信が持てない・積極的になれないということが起こります。
歯並びの改善により、そういったコンプレックスを解消、あるいは予防することができます。

正しい呼吸や発音ができるようになる

歯並びは、呼吸のしやすさ、発音のしやすさにも影響します。
歯並びを改善することで、正しい呼吸法、発音を身に着けやすくなります。小児矯正ではまた、口呼吸を改善し、鼻呼吸への移行を目指します。

怪我のリスクを減らすことができる

出っ歯をはじめとする歯並びの乱れは、転倒したときなどに歯の怪我(破折・脱落)を起こしやすくなります。
歯並びの改善は、こういった怪我のリスクの低減にも有効です。

デメリット

ワイヤー矯正の場合、器具で磨き残しができやすい

ワイヤー矯正などの固定式の装置を使用した場合、磨き残しが多くなります。お子様ご自身での歯磨き、保護者様の仕上げ磨き、歯科医院での定期的なクリーニングによって、これまで以上に虫歯予防に積極的に取り組む必要があります。

治療期間が長くなることがある

治療期間の平均はⅠ期治療で1~3年、Ⅱ期治療で1~2年となっています。ただ、この両方が必要になったり、骨格に問題があるケースなど、治療期間が長くなることがあります。
治療の開始前、あるいは随時、できる限り正確な見通しをお伝えしますが、必ずその期間で終えられるとは限らない点をご了承ください。

子どもの矯正にかかる費用

費用
歯牙の挺出 11,000円
小児1期治療 220,000円
小児2期治療 715,000円
ムーシールド 55,000円